2006年01月23日

なんとハラキリ

ライブドアの堀江社長がついに逮捕されました。

それでまさかスペインのメディアではライブドアの事件なんて報じてないよなー、っと思っていたら…

何気なくネットをみたらありました!

(記事を書き直しました。2006/02/05)

recorte.jpg


この記事は大新聞、エルパイスのホームページ上の記事で見つけました。


結構長い記事ですが、こんな風になっています(この画像は記事のごく一部)

harakiri1.jpg

画像はクリックすると大きくなります。

↓記事全体が知りたい方は記事はこちらからご確認を

記事へのリンク


今回私が取り上げた記事(=「ハラキリ記事」と命名)について、意外にも?反響が多いので全面的に書き直してみます。
まず、記事となっている事件について、またライブドア事件以外にも関連して述べられている事についてまとめておきます。
関連事件についてはすでに忘れられかけたものもありますから。
長いので、それぞれの事件についてよく知っている方は飛ばしてください。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ライブドア事件:
今年、2006年1月16日になって「ライブドア」という企業が証券取引法違反事件の疑いで捜索を受けた事により、同17日以降株式市場の暴落が始まった。
この「株式市場の暴落」をライブドア事件と言う事もあれば、堀江元社長の逮捕など関連する出来事全体をライブドア事件と呼ぶ事もある。
1月23日に逮捕された宮内容疑者(ライブドア前取締役)の自供によると、宮内容疑者と共に資金還流の手法を考えたのはライブドア関連企業の野口元社長である。
しかしこの宮内容疑者ら幹部4人の逮捕される以前、野口元社長は1月18日、沖縄のホテルで遺体となって発見された。
遺体は首、腹等に切り傷が有り、自殺と報道された。
その後、他殺ではないかという噂もあるようだが、今回当ブログで扱った記事では野口元社長が自殺(=ハラキリ)したという前提で書かれている。

エンロン事件:
ウィキペディアによると


エンロンは、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストンに本拠地を置き、総合エネルギー取引とITビジネスを行う企業だった。2000年度、全米売上げ第7位という大企業に成長し、2001年には21000名ほどの社員を抱えていた。しかし、これは巨額の不正取引に支えられたものであったため、不正取引が明るみになると、2001年12月に破綻に追い込まれた。これは、当時のアメリカ史上最大の企業破綻となった。


という事である。
記事の中では類似性がライブドア事件とエンロン事件についての類似性が述べられている。

野口氏の自殺に関連して他に二つの事件と関係者の自殺についても述べられている。
その二つの事件とは:

耐震強度偽装事件

姉歯元1級建築士により、多数のマンション・ホテル等の構造計算書が偽造され、耐震強度が基準に満たないままに建設されたことが昨年、2005年11月に発覚した。
これら耐震強度を偽装された建物のうち「グランドステージ藤沢」の元請をした森田設計事務所の森田建築士(当時55)が2005年11月26日に遺体で発見される。
状況から自殺とされている。今回の「ハラキリ記事」で自殺した会社経営者として紹介されているのはこの森田建築士の事と思われる。

2004年の鳥インフルエンザ事件

2004年3月8日、鳥インフルエンザ感染が確認された京都府丹波町の養鶏場「浅田農産船井農場」の本社がある兵庫県姫路市豊富町神谷の鶏舎近くの空き地で、浅田会長(当時67)と妻で監査役の知佐子さん(当時64)が首をつって死んでいるのを従業員が見つけた。
遺書のようなものも見つかり、状況から二人は自殺したとされている。「ハラキリ記事」ではこの夫婦の自殺についても記述されている。

(他にも銀行員の自殺について述べられていますが、何の事件か特定できませんでした。すみません。)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

「ハラキリ記事」に戻ってみます。
まず最初に野口氏自殺の件が語られ、そのあと「しかし、日本ではこの自殺はあまり驚かれなかった」とされ、自殺を受け入れる文化的背景が語られます。
その説明の一つに「ハラキリ(切腹)」についての解説があります。
ま、当然だけど。

その部分の訳を載せてみます。

「実際、ハラキリという自ら腹部を切ってしまう日本の習慣は数百年前のサムライ達の戦争で使われていた。自らが敵の手に落ちるのを避けるため、また名誉の掟を破ったとき償うため、また恥を避けるために」
そのあと、エンロン事件、耐震強度偽装事件、2004年の鳥インフルエンザ事件等が述べられています。

「ハラキリ記事」後半は、日本人全体の自殺の多さ、その文化背景について述べられています。
ここからおおざっぱに訳を載せておきます。
(全文は訳していません。)


30年にわたり「いのちの電話」に携わる立教大学の福山教授(研究テーマのひとつが「自殺学」:管理人注)によると、
「自殺は黒板の文字を消すようなもの」である。
日本では「死者に鞭打つ」というのは非常に嫌われる。

野口氏のように、自分が死を選ぶことにより、残された家族をスキャンダルから守れると多くの人が考える。

しかし、死を選ぶ人達が何か責めを負うべき状態であるとは限らない。

福山教授はこうも述べている:
「他の原因として、高い倫理観が考えられます。死を選ぶことにより、自分の無実を示すのです」


ここで、他国での事件が再度取り上げられています。
エンロン事件のJ.Clifford Baxter氏の自殺、
英国国防省兵器顧問David Kelly博士(この「ハラキリ記事」では博士とは書いてませんが、日本では必ず博士とつく)の自殺事件、について述べられています。
この二つの事件についても説明をしておきます。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
J.Clifford Baxter氏の自殺
2002年1月25日、元エンロン副会長J.Clifford Baxter氏のピストル自殺による遺体が発見された。
(「エンロン事件」について上記を参照されたし。)
Baxter氏の自殺は議会への証人喚問直前だったという。

David Kelly博士の自殺
英国国防省顧問David Kelly博士は、2003年7月に自殺した。
イラクの大量破壊兵器の脅威に関する英政府の情報操作疑惑をめぐり英BBC放送の報道の情報源だったのだが名前をリークされたのが自殺の原因とされる。

(※野口氏の自殺同様、この二つの事件も他殺ではないかという噂がありますが、「ハラキリ記事」では二人の事件を自殺とし書いてあります)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

再度記事に戻りましょう。

しかし、自殺の割合は日本は他の先進国に比べ群を抜いている。
2004年、日本ではは32,325人が自ら命を絶った。

世界保健機関によると、2000年の日本における自殺の割合は10万人に24.1である。比較して挙げられているのはフランスの同18.4人、アメリカ合衆国の10.4人。
そして世界一自殺が多いロシアでは同39.4人が生き続ける事を止めている。


こうして読んでいくと、結構きちんとした記事なんだけど、やはりハラキリ浮世絵はいかんですよ。
多分日本の事を読者が知らない前提からこういうアプローチをしたんでしょうが…
確かにスペイン人は日本の事は知らないのが普通。
最近はマンガの影響で、「マンガの中の日本」は結構知られているかもですが、現実の日本なんてやっぱり遠くて遠い国だし興味もあんまりない人が多いんじゃないでしょうか。

ところでサムライ、つまり武士は江戸時代の日本の人口の2割程度しか居なかったはず。
そして江戸時代を遠く離れつつある日本で自殺が増えていくのもなんか皮肉な感じがしますが。


リンク切れした時にそなえ、記事全文載せてみます。
読める方は是非どうぞ。


Harakiri’: una solución drástica ante el fracaso laboral
El suicidio de un ejecutivo de la empresa japonesa Livedoor, inmersa en un escándalo financiero, sorprendió a pocos en una sociedad que, tradicionalmente, considera que la muerte lava el honor
REUTERS - Tokyo
ELPAIS.es - Economía - 23-01-2006

La aparición del cuerpo sin vida de Hideaki Noguchi, un ejecutivo de inversiones sospechoso de falsificar información para aumentar la cotización de los títulos de su compañía en el mercado, ha añadido un toque de tragedia al escándalo que causó el desplome de la Bolsa de Tokyo, la semana pasada. Pero el suceso ha sorprendido a pocos en Japón, donde el suicidio no está prohibido por las creencias religiosas y la muerte es considerada tradicionalmente como una manera de escapar al fracaso o a la deshonra.

De hecho, el ritual del harakiri (cortarse el vientre, en japonés) fue usado durante cientos de años por los guerreros samurai para evitar caer en manos del enemigo o expiar una falta al código de honor y evitar así la vergüenza.

Noguchi se cortó las venas después de que la policía registrara su casa y oficina para encontrar pruebas sobre supuestos delitos financieros que cometió en las múltiples adquisiciones de Livedoor. Compras que, según muchos analistas, doblan las de Enron.

No es el único caso de este estilo que se registra en Japón. Un empresario se suicidó en noviembre tras destaparse una estafa en la construcción de miles de casas vulnerables a los terremotos. Un matrimonio de criadores de pollos hizo lo propio tras darse un supuesto caso de gripe aviar en su granja, en 2004. Los escándalos de los préstamos bancarios japoneses de los 90 también causaron múltiples suicidios.

"A menudo, se trata de una tentativa de compensar algún perjuicio que se ha causado a un cliente, director administrativo u otras personas" explica Seizo Fukuyama, profesor de psicología clínica en la Universidad Rikkyo en Saitama, al norte de Tokio.

Estos motivos son especialmente frecuentes en Japón, donde la devoción a la empresa está muy arraigada.

Una estricta moral

Fukuyama explica que los suicidas pretenden lograr un efecto similar al de limpiar una pizarra. "Tenemos un refrán sobre azotar los muertos. Castigar a una persona muerta es lo peor que se puede hacer. No respetar a los muertos, investigar sus pecados, no está bien visto en Japón,”, cuenta Fukuyama, que ha trabajado durante 30 años en El Teléfono de Vida, un servicio de ayuda a suicidas.

Como Noguchi, mucha gente se quita la vida con la esperanza de su muerte sirva para proteger sus familias de las consecuencias de un escándalo. Incluso, los hoteles situados en zonas remotas suelen sospechar de los viajeros solitarios.

Pero los que se suicidan en estas circunstancias no son necesariamente culpables de algo. A veces, simplemente, sienten que no pueden aguantar más.

Fukuyama también explica que "otra razón posible es reclamar su alta moral. Algunas personas piensan que demuestran su inocencia muriendo".

Casos en otros países

Suicidarse cuando se está implicado en un gran escándalo no es una realidad desconocida en otros países. El antiguo presidente de vicio de Corp. Enron J. Clifford Baxter se pegó un tiro en 2002. En Gran Bretaña, el experto de armas del Gobierno David Kelly se suicidó en 2003, después de que saliera a la luz que él había sido la fuente de una información de la B.B.C que explicaba que los motivos que habían llevado a Reino Unido a la guerra de Irak habían sido exagerados.


Pero los porcentajes de suicidios son, por mucha diferencia, más altos en Japón que en la mayoría de los países industrializados. 32.325 personas se quitaron la vida en 2004.

Según los datos de la Organización de Salud Mundial ", accesibles en la página web www.who.int/en, el porcentaje de suicidios en Japón era 24,1 por 100.000 personas en 2000, comparados con los 18.4 de Francia y los 10.4 en los Estados Unidos. La tasa más alta se situó en 2004 en Rusia, donde de cada 100.000 personas, 39,4 decidieron dejar de seguir viviendo.



浮世絵の説明:
El suicidio de un ejecutivo de Livedoor sorprendió a pocos en una sociedad que considera que la muerte lava el honor.


追記:
今日テレビで「その時歴史は動いた」で江戸川乱歩が浮世絵を見ている写真に…この浮世絵うつってました。
有名な絵なのかもね。
(2007/05/16)


posted by 管理人 at 21:30 | Comment(4) | TrackBack(0) | スペインのニュース記事
この記事へのコメント
ハラキリですか〜…いつの時代の話でしょう(苦笑)なんて感じですけど、きっと日本の事をあまり知らない方が記事書いたのでしょうね。
浮世絵も…あの絵はちょっとあんまりかも(><)
まぁ、私もスペインと言えばちょっと馴染みが薄いのであまり笑えないですけど(^^;

やっぱり相互理解がもっと必要ですね〜(^^;

学生の頃だったかな、逢坂剛さんの「カディスの赤い星」っていう小説をラジオドラマで聞いて、それから興味を持って、本を読んだんですが、見知らぬスペインのイメージを膨らますのには社会背景や歴史なんかもちょっと解説があった(と思う)ので凄く面白かった覚えがあります。

…やっぱりものを書くにはそれに見合った土台と言うか知識がしっかりしてないと恥かしいものですね〜(><)
私ももっともっと勉強しなくちゃ。←いっぱいいっぱい自戒を込めて。
Posted by yukkie at 2006年01月24日 13:53
ゆっきーさん、お返事遅くなってすまない。
そのうちリンク切れに備えて多少記事の引用・抄訳でも載せようかと思います。しばし待たれよ。
記事を書いた人自体は日本のことよく調べているみたい。でも、ハラキリは受け狙いかな。
私も逢坂剛の本を読んだことある。でも題名忘れたなー。
Posted by 管理人 at 2006年01月24日 23:51
浮世絵が載っているのはうける、、。

スペインはまだまだ遠いということですかね。

しかしハラキリはハラキリで正しいのでは?
日本人のサムライ魂からの行動であるとわたくしは
考えておりまする。
Posted by えりこたん at 2006年01月25日 22:24
えりこたんへ
その、侍魂について結構考えさせられる文章なんですよ。真面目に。でも、この浮世絵がイロモノにしてる面があるわいな。
Posted by 管理人 at 2006年01月25日 22:56
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。